職人と事業主、お互いのためにも日報管理を徹底しなくてはならない理由

こんにちは。LINEで業務報告・日報を管理するアプリ「らくっぽ」の開発・運営を行っているCメーカー株式会社ブログ担当です。

建設業において「働き方改革」は表面上取り組まざるを得なくなりましたが、「有給休暇の徹底」がなされていなかったり、「どこからどこまでが勤労時間として計算されるのか不明瞭」であるなど、その実態は会社によってもまちまちであります。

今回は「建設業」のお客様の顧問業務、ご依頼を多く扱っている未来創造税理士法人 代表税理士の山田さんにお話を伺いました。
日報・業務報告が組織にとってどんな役割を担っているのか、また徹底しないと会社はどうなってしまうのか。ぜひご覧いただければと思います。

LINE 日報 建設業 集計

「言わなくても伝わる」のは会社の人間関係が良好なうちだけ

インタビュアー(以下:イ):今日はよろしくお願いします。まず、税理士というお立場から見て今の建設業、そして「働き方改革」はどのように映っているのでしょうか。

山田さん:現状、働き方改革を未だ徹底していない会社は少なくありません。そういった会社の働き方をよくよく見てみると、就労規則は形骸化され、仕事の出来は職場の人間関係に依存していることが分かります。

仮に今、上司は部下に良かれと思って「好きにやらせている」、部下も信頼して上司の後を「ついて行っている」状態だとします。こういった働き方は、関係性が良好なうちは確かに業務報告が頻繁になされていなくても、お互いの信頼関係の元に仕事が進んでいるので一見問題がないように見えます。

しかし、何かのキッカケで関係性が悪化してしまったり、会社の規模拡大に伴って今まで身近な存在であった上司や社長が遠い人になってきてしまった時、問題が表面化される恐れがあります。

イ:問題というのはどんなものがありますか?

山田さん:たとえば「労働時間」です。これは建設業界に顕著であると思うのですが、労働時間の取り決めが明確でなかったり、取り決めが実践されていないことが多いです。
仕事始めも”現場に着いた時間”から就業時間にあたるのか、また”どれだけ残業をした”のか申告をせずともお互いを信用できるのは関係性が良好なうちだけなのです。

この体制のまま関係性のみが希薄になると、職人は自分の働いた時間が不明瞭なままになってしまいます。すると、環境に不満を持った職人が訴訟問題を起こすという事態も想定しなくてはなりません。

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万が一の訴訟問題、データが残っていないと社長は泣き寝入り?

イ:そういったケースではどんな着地になってくるのでしょうか?

山田さん:記録が残っていなければ虚偽の申告も可能になります。たとえば「3年分、これだけの時間分給与が反映されていない」と申し立てれば、立証する証拠もありませんが、同時に反論する要件も揃っていません。となれば社長が納得がいかなくとも、喧嘩両成敗、請求金額の半分は支払うこともあるでしょう。

イ:だからこそ、就労規則を決めておくことは大事なのですね。

山田さん:最近はインターネットで検索すればそう言った悩みを得意分野にする弁護士も多いです。よくCMなどでも見かけますよね。知識がなくとも、「訴訟」が職人の取れる1つの手段として浮上してくることは決して大げさな話ではありません。

そう言った問題にちゃんと手立てが打てるようにするためにも「就業規則」や「業務日報」を疎かにしてはいけないと思います。
一方で職人は「現場」に働きに行くわけですから、毎日の業務報告書を書きに事務所に戻ることが現実的に難しいこともわかります。

なので、移動時間や現場に着いた時間をLINEで直接社長と共有できる”らくっぽ”を使うことは有用だと思います。

イ:働き方のベースを作るにもやはり、報告と集計、データに残すことが大切ということがわかります。山田さんから見て、危険信号に思える会社にはどのような特徴がありますか?

山田さん:一概には言えませんが、”大きくなってしまった”会社は注意が必要かもしれません。人が増えれば、昔は社長と職人の距離が近かったけれど、規模が10人、50人と大きくなるにつれて距離が遠くなってしまう。そういったことは先に指摘した通り、職人側だけでなく社長も職人1人1人のステータスを細かくは見ることが出来なくなってきます。

月末の集計の面倒さもあり、職人が提出した時間通りの給与をどんぶり勘定で渡してしまう社長もいます。自分もちゃんと確認できていないし、「信用」の元に成り立っている。「どうせわからないだろう」が通用してしまう建設会社も少なくありません。規模が大きくなるにつれ組織としてルールを徹底しなければなりません。

反面、社長から目をかけてもらうことは職人にとって、何よりの励みでもある。

イ:なるほど。事業主は職人の細かな動きの確認が取れていないから、その報告を無下に出来ないのはジレンマですね。

山田さん:一方で、これも建設業界によく見られる特徴の1つなのですが、職人は「社長に目をかけてもらいたい」という傾向があります。部長や自分の上司ではなく、社長に現場での頑張りを見てもらいたいんです。

LINE 日報 建設業

LINEであれば社長は日報を直接みることができますし、返信をすることで職人のモチベーションを上げることにも大きく貢献します。つまり、日報の徹底は建設会社の事業主と職人にとってお互いの利益に繋がると考えられます。

イ:今日はどうもありがとうございました。

いかがでしたでしょうか。建設業界で技術・技能の指導者を「親方」と称するように、現場は師弟関係のような間柄で仕事を進める気風があります。会社規模が大きくなっても、社長がちゃんと職人を見ている。職人もそれに対して誠実でいられるようにするために、弊社の「らくっぽ」を用いて業務報告を徹底してみませんか。

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